Bambu Labのマルチカラーシステム「AMS(Automatic Material System)」を使っていると、純正スプール以外の安価なサードパーティ製フィラメント(eSUN、Elegoo、PolyTerra、Overture等)を入れてコストを抑えたくなりますよね。

しかし、近年環境配慮のために急増している「紙スプール(段ボール製スプール)」をそのまま密閉型AMSに入れて回すと、思わぬトラブルにつながることがあります。

この記事では、紙スプールで起きるトラブルの仕組みと、1kg単価の安い紙スプール銘柄をAMSで100%快適に使いこなす3つの対策を解説します。

1. なぜ密閉型AMSに「裸の紙スプール」が相性悪なのか?

密閉型のAMS(X1C / P1S用)は、スプールの中央穴ではなく「スプールの外周(フチ)をゴムローラーの上に乗せて回転させる」駆動方式を採用しています(※A1シリーズのAMS liteは中央軸固定方式のため紙スプールでもそのまま使えます)。

裸の段ボールスプールをそのままゴムローラー上で何十時間も往復回転させると、以下の3つの現象が起きます。

  • 紙粉(段ボールの削れカス)の発生:
  • スプールのフチがローラーとの摩擦で削れ、細かな紙粉がAMS内部のギアや光学センサーに付着して給紙エラーを引き起こします。
  • 残量が減ったときの「空回り・引き戻しエラー」:
  • プラスチック製スプール(約200〜250g)に比べ、紙スプールは軽量(約130〜160g)です。フィラメントの残量が残り2割以下になるとスプール全体が軽くなりすぎて、引き戻し時にローラー上でスリップしたり浮き上がったりして「引き戻し失敗(赤ランプ点滅)」が起きやすくなります。
  • 輸送中のフチの歪み(凹み):
  • 真空パックの圧力で段ボールのフチがわずかに波打っていると、回転時にガタついて引っかかります。

    2. 安い紙スプールをAMSで快適に使いたおす「3大対策」

    紙スプール銘柄は1kgあたりの実質単価が安い宝庫です。以下のひと手間を加えるだけで、純正スプール並みに安定稼働します。

    対策方法手軽さ安定度特徴・やり方
    1. 外周にビニールテープ・ハーネステープを巻く★★★(1分)★★☆スプールの両フチに1周テープを貼るだけで紙粉がゼロになりグリップ力も向上
    2. プラスチック製スプールリング(アダプター)を装着★★☆(印刷30分)★★★MakerWorld等で配布されているメーカー別リングをPLA/PETGで出力してフチにはめ込む
    3. 純正再利用スプールへ移し替え(リワインド / 側面剥がし)★☆☆(5分)★★★紙スプールの両側面をビリッと剥がし、Bambu純正の分割式スプールに芯ごとハメ込む裏ワザ

    特におすすめ:「スプール中央の重り(シリカゲルケース兼用)」

    残り少なくなったスプールの浮き上がりを防ぐには、スプールの中央穴(直径約52〜55mm)にすっぽり入る円筒形のシリカゲルケース(中に乾燥剤や単3電池・ナット等の重りを入れる)を3Dプリントして装着するのが一石二鳥です。AMS内の除湿をしつつ、適度な重みで最後の1メートルまでスムーズに給紙できます。
    AMSでの大量消費に最適なセット品は、PLAフィラメント最安値ランキングおよびPETGランキングで1kg単価順にチェックできます。