「夏の車内に置くスマホホルダーをPLAで作ったら、1日でグニャリと溶けて曲がってしまった…」
「庭やベランダで使うパーツを作りたいけれど、どのフィラメントが一番長持ちするの?」
そんな高耐熱・高耐久が求められる場面で候補に上がるのが「ABS」と「ASA」の2大素材です。
エンクロージャー(密閉筐体)を備えた3Dプリンタ(Bambu Lab P1S/X1C、Creality K1、QIDI等)が普及したことで、家庭でも手軽にこれらのエンジニアリング素材が扱えるようになりました。
この記事では、ABSとASAの決定的な違い(紫外線耐候性)と、用途別の選び方を解説します。
1. ABS vs ASA スペック・耐候性・単価比較
| 比較項目 | ABSフィラメント | ASAフィラメント |
|---|---|---|
| 耐熱温度(熱変形温度) | 約 90 〜 100 ℃ | 約 95 〜 105 ℃ |
| 紫外線(UV)・屋外耐候性 | △(直射日光で黄変・劣化しやすい) | ◎(紫外線に極めて強く屋外で数年耐久) |
| 反りやすさ(収縮率) | 反りやすい(エンクロージャー必須) | ABSよりやや反りにくく積層肌が綺麗 |
| 印刷時の臭い(スチレン臭) | 強い(換気・活性炭フィルター推奨) | ややあるがABSよりマイルド |
| 1kgあたり実質単価目安 | 約 1,800 〜 2,500 円(安価) | 約 2,600 〜 3,600 円(ABSの約1.3〜1.5倍) |
| アセトン表面処理 | ○(蒸気でツルツルにできる) | ○(同様に平滑化可能) |
2. なぜ屋外パーツには「ASA」一択なのか?
ABSは非常に強靭で耐熱性にも優れていますが、分子構造内に「ブタジエンゴム」を含んでいるため、太陽の紫外線(UV)を浴び続けるとゴム成分が分解され、数ヶ月で黄色く変色してボロボロに割れてしまうという弱点があります。
この弱点を克服するために開発されたのが「ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)」です。
ブタジエンの代わりに耐候性に優れたアクリルゴムを使用しているため、雨風や直射日光にさらされる屋外設置パーツや車の外装・루ーフキャリア部品でも、数年間強度と色合いを維持できます。
3. コストと用途で選ぶ!ABSとASAの使い分け基準
反り(ワープ)をゼロにする印刷のコツ
ABS・ASAともに、造形前にビルドプレート温度を90〜105℃に設定し、10〜15分ほど庫内を予熱(ヒートソーク)して庫内温度を45℃以上に上げてから印刷を開始すると、大型パーツでも反りや層間割れを起こさず完璧に出力できます。耐熱素材の最新価格は、ABS・ASAフィラメント最安値ランキングで毎日自動更新しています。